【本】料理の四面体
料理の四面体という本を読みました。
この本は、具体的なレシピは書かれていないので、既に自分なりに料理ができている人にオススメです。
四面体とは
聞きなれない言葉ですよね、四面体。
油、水、空気を火と組み合わせ、図で表すと、四つの面を持った形になるというもの。
大抵の調理は、火と油、火と水、火と空気の組み合わせの中で収まると筆者は言っています。
たとえば、火と油の組み合わせで、火の要素が強ければ、炒め物になるし、油の要素が強ければ、揚げ物になる。
火と水の組み合わせでは、煮物という調理法が火が強い要素ではシチューになり、水が強い要素ではスープになる、
火と空気の組み合わせでは、火の要素が強ければ、グリルになり、空気の要素が強ければ、干物になる。
火の要素が全く介在しない部分はナマモノで食べるということになる。
この四面体という考え方は、タイトルになっているけれど、最後の6章に書かれていました。
調理は、火と油/水/空気の組み合わせにすぎない。
四面体についての説明が最終章について書かれていますが、その前までに書かれていることは四面体を構成する各組み合わせについてです。
目次は下記のようになっています。
1章:料理のレパートリー
2章:ローストビーフの原理
3章:てんぷらの分類学
4章:刺身という名のサラダ
5章:スープとお粥の関係
6章:料理の構造~または料理の四面体について~
この目次を四面体の各ラインに当てはめると、
1章:料理のレパートリー
2章:ローストビーフの原理 → 火と空気について
3章:てんぷらの分類学 → 火と油について
4章:刺身という名のサラダ → ナマモノについて
5章:スープとお粥の関係 → 火と水について
6章:料理の構造~または料理の四面体について~ → 四面体という考え方について
です。
四面体という言葉は耳慣れない分、少しとっつきにくいですが、各構造について書かれていることがわかれば理解はしやすいです。
四面体は、切り身魚レシピを作る時の発想と同じで共感しました
この本を紹介した理由は、四面体というのは筆者の玉村さんが料理をする上で考えていることなのですが、自分が「この切り身魚をどうやって調理しようか」と考えていることに非常に近く共感しました。
自分が切り身魚を料理する時にまず考えるのは、焼く(火と空気の組み合わせ)のか、煮る(火と水の組み合わせ)のか、揚げる(火と油の組み合わせ)のかということです。
調理法が決まった後に、どんな味付けにしようかを考えます。
「ここ最近は焼き魚が多かったから、煮魚にしようかな」や、「ノンフライヤーを買ったから切り身を揚げようかな」といった具合です。
レシピというのは味付けがメインで考えられていることが多いですが、味付けが上手くいくかどうかは調理法にかかっています。
四面体という考え方をしたことはありませんでしたが、一つの図で表されると「確かに!」と膝を打つことができました。
料理の考え方に正解はない。
調理法を構造的に考えることが好きなんだなぁということは、1章に書かれている「料理のレパートリー」に表れています。
味付けに必要なソースは、「油・クリーム・だし汁」の要素を組み合わせであることを説明し、冷蔵庫の中にこれらの要素を含む、8種類の材料があれば、それだけで112種類のソースができると著者はいっています。
たった259ページの文庫本で112種類のソースをどうやって作るのかを説明するなんて予想ができませんでした。
112種類のソース全てがおいしいがどうかはわかりませんが、「どうやったら自分が作れる料理のレパートリーが増えるのか」を考えるヒントにはきっとなります。
冒頭に「自分なりに料理ができている人にオススメ」な本というのを書いたのは、ある程度の料理が外で食べるより美味しく作れる人は、自分の料理をどうやってアレンジすることができるのかが、この本を読めばわかるハズです。
自分の料理の中でどうやったら、新しい発見をすることができるのか、そのために本書をぜひ読んでみてください!
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